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需要ー供給曲線
経済成長が“急すぎる”場合、インフレを伴う。 これをAD-AS曲線を使って説明しなさい。 という問題なのですが、短期では私はAD(総需要)曲線が右上にシフトし、その結果、水平に引かれたAS(総供給)曲線との交点が右にずれる。つまり、プライスはそのままで供給量が増える。時間が経過すると供給量は一定になり(ASが垂直のグラフになる)、ADとの交点が上へシフトし、プライスが上昇しインフレとなる。と考えました。 でも、これは普通の経済成長とインフレの関係ですよね。“急すぎる”というところが強調されているのですが、どのように考えればいいのでしょうか??
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まず、代表例は、政治的要因です。選挙前に大幅減税、公共投資の増加、財政投融資の増加を決めてしまう場合があります。経済の実態を総合的に判断し、それに基づいた政策ではなく、人気取りのために行う経済政策で、アメリカの教科書でも出て来ます。私の大学の授業でも取り上げられました。日本の場合ですと、田中内閣の経済政策が良い例です。(狂乱物価を引き起こしました)選挙要因以外ですと、国際的な要因も考えられます。中東の場合ですと、オイルショック後の経済です。原油価格が暴騰し、オイルダラーが石油輸出国国内に滞留し、その資金を一国の経済に無謀に投入し、悪性インフレを引き起こした事例があります。過度な資金流入から過度な投資が発生している中国も悪性インフレを起こしつつある(景気が過熱しすぎている)と思えるのですが、あの国の正式なデータを信用する事は、なかなか困難な面がありますので、出さない方が良いと思います。
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供給サイドが需要に応えられるだけの生産能力がある場合、この場合、生産拡大が起こり、かつ物価上昇も起こります。この物価上昇は、生産性格差インフレと言って、社会的に容認されるインフレです。つまり、供給サイドは、需要増に十分応えられるだけの弾力性を保持しており、その結果、生産増加(所得増加)として現れてきます。しかし、異常な総需要レベル(生産増加が結果的に不可能なレベル)が発生しますと、ある一定量の供給量増加は可能ですが、それ以上の生産量増加は、実質不可能な為、結果的にインフレしか起こりえないと言う事になります。ここが、この問題のポイントです。成長過程における物価上昇は、必ず生産量増加の結果を引き起こします。しかし、経済成長が急すぎる場合を、敢えて、急速経済成長が過度な総需要の増加要因に起因する場合と言い換えますが、この場合、供給側は、生産能力に限界がある訳ですから、需要に応える能力がありません。結局、労働資源の奪い合いや、財やサービスを製造する資材の獲得競争をせざろう得ず、国内的には、これらが卸売物価を引き上げ、対外的には、過度な輸入圧力になりますから、国際収支を悪化させていきます。しかし、この過程では、生産増加は、生産能力が限定されている過程で起きていますから、供給量増加は、全く見込めず(AS曲線が垂直になっている事を思いだしてください)、インフレ高進しか起こりえないと言う事になるのです。繰り返しますが、経済が成長過程にある場合は、インフレと生産量がともに増加いたします。しかし、ある臨界点を超えると、インフレしか起こりえないという相違があると言うのが、この問題のテーマであると考えております。ちょっと個人的なことで申し訳ないのですが、私は、アメリカの大学で経済学のチューター(補習などを担当する家庭教師みたいなもの)をやっておりました。その際、この部分がやはり論点になり、アメリカ人の生徒に今までご説明した事柄を説明しましたが、結果的には、吉と出て、彼らはAを取る事が出来ました。多分、MINAさんもテストだと思うのですが、論点は、過度な総需要の増加による成長度の度合がテーマであれば、インフレの度合が求められますから、AS曲線の傾きを、よりきつくして、インフレ率が上がる事を表現する事をお勧めします。また、ADがAS曲線が垂直状態の時と交わっている程存在している場合には、供給量増加は、事実上不可能ですから、インフレ高進しか結果的に出てこないと言うところを強調してください。私が担当していた学生のテストは、後者がメインテーマでした。 また何かご質問がある場合には、お答えしたいと思いますので、投稿してください。
お礼
なるほど。飲み込めてきました。では、実際にどういったdemand shockが起こると供給を超える需要を引き起こすのでしょうか?AD-AS曲線は“総”ですので全体を考えないといけないですよね。私が今、思ったのは、どこかの国が戦争を起こした場合、軍事を輸出する国は急激に裕福になり国民の総所得も増加。そして総需要が増加するかなぁと。あっ、でもこれは軍事部門だけが潤う場合もありますね~。国全体で急激に需要が高まるdemand shockってありますか? ちなみに私も今、英語圏の大学で経済学んでます☆
先ほど回答したものです。「時間が経過すると供給量は一定になり(ASが垂直のグラフになる)、ADとの交点が上へシフトし、プライスが上昇しインフレとなる。」の部分ですが、誤解を招いてしまう考え方が含まれています。時間が経つと供給量が一定になりの部分を、供給能力を超えた需要に応えるべく、民間部門は、供給量拡大に努める過程において、供給量拡大は、事実上困難で、物価上昇しか結果的に起こらない、などと言い換えた方が良いと思います。
お礼
回答有難うございます。つまり、古典経済の考え方で最初は需要を満たそうと供給が増えるが、需要拡大のペースについていけず結局、プライスが上昇する。という事になりますね。でも、これって普通に需要が拡大してインフレが起こる場合と同じでは? この問題はなぜ“急な成長”と“”を打ってまで強調してるのでしょうか?何か違いを説明しないといけないような気がして。。。
急すぎるという意味は、需要がそれ自体の供給を創る事が出来ない場合と考えてよいと思います。AD曲線とAS曲線を書く場合、交点を必ずAS曲線が垂直になっている所に持って行ってください。この場合、総供給側は、総需要に応えるべく、供給を拡大したいのですが、あまりにも多くの総需要が創造された為、供給が追いつかず、結果的に供給拡大(所得拡大)は不可能で、悪性インフレしか経済全体では享受しないという意味になります。「短期では私はAD(総需要)曲線が右上にシフトし、その結果、水平に引かれたAS(総供給)曲線との交点が右にずれる。つまり、プライスはそのままで供給量が増える。時間が経過すると供給量は一定になり(ASが垂直のグラフになる)、ADとの交点が上へシフトし、プライスが上昇しインフレとなる。と考えました。」この部分ですが、この分析は、経済学的にほとんど正しい考え方だと思いますが、通常経済が発展していく過程において、インフレになりますから、水平に引かれたAS曲線の部分を、やや右肩上がりの直線に修正した方が良いです。この右肩上がり段階(AS曲線が垂直にまだなっていない)において、AD曲線をまじあわせても、まだ生産量の拡大の余地はあるという意味になります。(急ではないという意味です)これは、供給側が生産能力拡大にまだ弾力性があるということです。従って、需要増に対応できるだけの弾力性があることを意味しますので、需要増加分の創造は、急ではない、または、需要増加は、供給能力を超過させていないと言い換える事が出来ます。また、細かな事例ですが、私の過去の回答にいくつかの事例を挙げていますので、ご参考になれば幸いです。
お礼
確かに政治的要因は影響しますね! 詳しく的確な回答有り難うございました! ちなみにもう一つわからない問題あるので そっちも答えてくれると助かります☆