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競売で抹消されない権利はありますか?
不動産に次のように権利が登記されています。 甲区 仮差押H10.8.21 所有権移転仮登記H11.3.18 乙区 1番順位 根抵当権(極度額五千万円)H10.8.11 2番順位 根抵当権設定仮登記(1800万円)H11.5.6 3番順位 2番根抵当権転抵当仮登記(1800万円)H11.10.20 当方は乙区1番順位です。もし競売申し立てをした場合、甲区についている仮差押、所有権移転仮登記は抹消されるのでしょうか。 また、今後の参考のため、競売によっても抹消されない権利があるのか、教えてください。よろしくお願いします。
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- seryou
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仮差押登記は,換価のための保全を目的とするものですから,常に売却によって消滅(抹消)されます。また,所有権移転仮登記は,例え非担保目的であっても,最先順位の担保権よりも後れるものですから,抹消されます。 次に,売却によっても抹消されない権利についてですが,ご質問の「競売によって」は,「売却許可決定が確定し,買受人が残代金を納付したとき」という意味だと思われますので,それを前提として,売却に伴って権利が消滅しない権利の主たるものを掲げておきます。 1 質権 使用収益を伴う質権で,かつ,最先順位の担保権(抵当権・根抵当権等)よ りも先順位にあるもの 2 留置権 差押後のものであっても,買受人が負担することになる。 3 仮登記(非担保目的のもの) 売買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記等で,抵当権と併用さ れているなど,担保目的であると認められないものであり,かつ,最先順位の 担保権よりも先順位にあるもの 4 用益権 最先順位の担保権よりも先順位で,かつ,対抗要件を備えたもの ア 建物の賃借権(対抗要件は,建物の引渡し) イ 建物所有を目的とする賃借権(対抗要件は,所有権保存(移転)登記・建 物の表示登記) ウ 短期賃借権 契約期間は,建物は3年を超えないもの,土地のうち,樹木の栽植又は伐 採を目的とする山林は10年を超えないもの,その他の土地の場合は5年を 超えないものであり,実際に使用占有の事実が存し,かつ,差押・仮差押よ りも前であること(最先順位の担保権よりも後でも可)が必要である。対抗 要件は,上記ア・イのとおり。 エ 地上権(対抗要件は,登記) オ 地役権(対抗要件は,登記) 5 仮処分 ア 処分禁止の仮処分 最先順位の担保権よりもまえのもの イ 占有移転禁止の仮処分 差押・仮差押よりも前であること(最先順位の担保権よりも後でも可) 6 買戻登記 最先順位の担保権よりも前のもので,買戻期間が残っているもの
- drunker
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まず、誤解のないようにお願いしたいのは、競売の申立をした時点では申立人の差押登記がなされるだけで、何も抹消されないと言うことです。種々の登記が抹消されるのは競売によって売却され、買受人が代金納付を済ませた後になります。 本物件の場合は全て抹消されるでしょう。甲区の仮差押及び所有権移転仮登記の登記時期は最先順位の根抵当権に劣後するので抹消されます。 競売によって抹消されない権利としては、差押の登記前に設定された不動産質権で使用収益をしない旨の定めのないもの、及び留置権があります。前記の質権は滅多にお目にかかることはありませんが、留置権の主張は良く見受けられます。留置権とはいわゆるリフォームをして500万かかったとか、建築会社が建物の工事代金を払ってもらってない等という主張に基づく債権のことです。この留置権も執行官によって正常なものと認められた場合は買受人がその債務を継承しなければならないでしょう。もっとも多く見受けられる抹消されない権利は、最先順位の抵当権等の設定以前からの短期賃借権です。 これは、土地については5年、建物については3年を超えない期間を定めた賃貸借契約で、事実上の占有を必要とします。この賃貸借契約が最先順位抵当権等の設定以前から継続している場合、買受人はこの賃貸借契約を継承しなければなりません。差押後の更新にも応じる義務があります。