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NPOは日本になじむか?
はじめまして。 NPOが日本社会に受け入れられるための問題点には何があるのでしょうか? 感覚的なものですが、私は、日本で米国ほどNPOが発展するとは、現時点では思えません。米国と異なる文化的、歴史的背景があるように思えるからです。どなたか、このあたりにお詳しい方、ご教授いただけませんでしょうか?
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はじめまして。 1年程前、アメリカ、カリフォルニア州のNPOで10ヶ月間、インターンとして過ごしたことがあります。日本に帰ってからもそういった関係のあたりをうろうろすることが多いのですが・・・。 こと、アメリカ、それも私が経験した範囲内でお答えしたいと思います。 その1 法的な制度 日本にもNPO法案がありますが、いろいろと問題があることも確かです。 例えば、政府はNPO活動として「認められる」活動分野を決めていますが、それ以外の分野での活動をしたい場合、それは「市民活動」ではない、とみなされてしまいます。 いわば、行政のお許しのもとで、行政の決めた範囲内での活動しかNPOとはみなされない、ということです。実際、政治活動や宗教活動は制限されています。 一方アメリカでは人間環境保全,公民権運動,性差別救済,ホームレス保護,地球環境保全,難民救済,核兵器廃絶,アドボカシー団体などなど、政府の政策と異なる活動をしている団体でもNPOとして認められます。 その2 資金源 何をするにせよ、やはり先立つものはお金でしょう。 アメリカではNPO団体に対する寄付については,税控除が認められます。また、1960年代に政府が社会福祉団体やメディケア団体などへ助成を行って福祉や人権などの充実を図り、この時期にNPOが大いに栄えた、らしいです。が、1980年からのレーガン政権下の新保守主義政策によりNPOへの助成金が大幅にカットされました。この時期につぶれるNPOも多くあり、これ以後、NPOはファンドに関してしっかりした姿勢を持つようになったそうです。私がいたところでは、個人や企業からの寄付と、助成金が多かったです。 日本ではまだ、助成金の数が少ないですよね。資金が無いために大きな活動ができにくく、人々の目を引きにくいというのはあると思います。私がいたNPOでは毎年、ホテルで500人規模のパーティを開いていました。お金が無いために建物も机も椅子もぼろぼろ、でははじめての人が入っていきにくいですよね。あと、個人が団体を支援する、っていうのもまだ少ない気がします。それは・・・ その3 意識 政府は一体NPOの活動や役割を、どの程度までだと想定しているのか?という姿勢に疑問を感じます。その1でも述べたように、日本では政府がNPOを認める「認証」制度だと感じます。 一方の市民サイドで言えば、「市民」という意識が日本では非常に希薄だと感じます。アメリカで私が感じたのは、この地域にすんでいる「私」が、この地域を作り、変えていくという参加意識です。もともとアメリカは広大な国ですから、連邦政府は「小さな政府」です。また、さまざまな文化や人種が入り混じって暮らすアメリカでは、ある一定の人々にとって有益なことでも、その他の人にとってはそうでないことがあります。 アメリカで「アジアの人々」と呼ばれる中でも日本人、タイ人、中国人、インド人、などなど言葉も文化も違います。いわば「マイノリティ」の数や種類が多いんですよね。 NPOの活動というのは、政府という大きな政治の中からこぼれてしまう細かな要求、多数決の理論ではマイノリティになって埋もれてしまいそうな需要にこたえていくものだと思います。 日本におけるマイノリティといったら・・・??民族でいえば、まず思い当たるのはアイヌの人々、朝鮮半島の人々、でしょうか? 大多数の人は自分はマイノリティではない、「ほどほど」だと思っているのではないでしょうか。この「中級意識」は日本では非常に強いと思います。 別に自分が何かをしなくてもお上が何かをしてくれる、またそのお上の政策は大部分の「日本人」に同じような利益をもたらしてくれる。その利益に不満があっても、まわりも自分もおんなじぐらいだからまあいいや、というのがあるかと思います。 また、日本で市民活動というと、安保闘争のような「過激」や「思想的に危ない」というイメージがあるのではないでしょうか。特別に「人権」というものを意識しないで生活できる「日本で暮らしている日本人」にとっては、人権やら何やらを訴える活動などは「あやしい」でおわってしまうでしょう。もの的に満たされた日本で平穏に暮らしている限り、何かを変えなければ、という「危機感」に見舞われることが少ないのだと思います。 で、総論ですが、私としてはこの先、日本でのNPO活動は盛んになっていくと思います。 まだまだ先の話だと思いますが、これからは「個人」の時代です。そこで「自分が何をしたいのか」を突き詰めていった場合、NPO活動という選択肢が入ってくるようになると思います。アメリカほど発展するかどうかは?ですが、社会批判といった形ではなく、「個人の実現」という形で発展していくのではないでしょうか。 NPOは、政治や経済、文化、などなどさまざまな問題をもっています。それを一口に語る力量は私には無いのですが、少しでもお役に立てたでしょうか。またお聞きになりたいことがありましたら補足を入れてください。
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- prog001
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特に詳しいわけではないのですが、、。 やはり日本のような「出る杭は打たれる」 「長いものには巻かれろ」という価値観や 市民社会が成熟していないような状態では (「公=国家」というような貧弱な論理が まかり通っているようなご時世ですし) なかなか難しいかもしれません。 欧米のNGO、NPOではインターネットなど も当り前のように使用して世界中とのネット ワークを築いて活動しているようですが、 日本の市民運動ではまだまだそのような 段階には至っていないと思います。
お礼
prog001さん ご回答ありがとうございます。 私も、NPOについてprog001さんと似た考えを持っています。しかし、その一方で、今後、日本でも米国のNPOのような組織は必須になると感じています。 NPO法の施行など、わが国もこれまでになく、NPOへの関心が高まりつつある時期だと思いますので、いまやるべきことは何かを考えたいと思っています。 ありがとうございました。
補足
ありがとうございます。大変参考になります。 まもなくシルバー層に入る団塊の世代の皆さんがお持ちの貴重な知恵や経験を文書化しすることで、シルバー層の知恵、経験の有効活用と、シルバー層の社会参加を、サポートするようなNPOが作れないか?と考えています。 gomachanさんもおっしゃらてれいるように、わが国ではNPOの認知度は非常に低いので、草の根的にはじめても上手くゆくとは思えません。私と同じような考えのもと、わが国各所で、非営利の組織が立ちあがりつつありますが、みな規模が小さく、私の目にはそれら小さな組織が今後大きく発展するようには思えません。関係者の皆様、すいません。 そこで、私は、民間企業の全面的なバックアップのもと、民間企業の関連団体として立ち上げるのがよいのではないかと考えています。しかし、民間企業の関連団体である以上、立ち上げ当初は企業の論理に則った民間企業側のメリットを考慮する必要があると考えています。このようなNPOの立ち上げ方は、NPOという組織の性質上可能でしょうか?民間企業の組織から出発し、NPOになった事例などご存知ありませんか?