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民事訴訟に於ける証拠としてのデジタルデータの取り扱
デジタルデータは基本的にその内容を紙媒体に編綴して、証拠として提出するもの、ということを知りました。 写真を証拠として提出するのに、今の技術であれば、恣意的にいくらでも加工することは出来ますから、必ずしも写真を提出しただけでは証拠として十分とは言えないこともあるのではないかと想像しております。 『ありのままを撮影したことを証明する』ことも、並行して必要なのではないか、ということです。 提出者当人で手を加えることが限りなく難しいと第三者に納得させるだけの、写真の証拠としての信頼性を示すことも必要なのではないか、と考えるのですが、裁判の現場では証拠としての写真の扱いについてどのように考えられているのでしょうか? たとえば、デジタルカメラで撮影した画像があるとします。画像データをパソコンなどに転送してそこからプリントアウトし、証拠として提出することは簡単なことです。しかし、撮影日の確認はデジタルカメラ上でしか確認出来ない場合(パソコンのエクスプローラー等で表示される日付はデータがストレージに保存された日付であって、撮影日ではないため)、デジタルカメラを法廷に持ち込んで、撮影した内容に嘘偽りは無い、と説明することは可能なのでしょうか? あるいは、そもそもその必要はあるのでしょうか? すべては裁判官次第と言えるでしょうが、実例はあるのでしょうか? また、ウェブページ等、原本が最初から紙媒体として存在しない文書の書証としての扱い方についても同様です。 書証として提出する紙媒体は、抄本とし、原本は当事者が控えておいて、審理日当日に持参し提示するのが基本であると知り得ていますが、ウェブページなどのデジタルデータの場合、そもそも原本をどのように捉えるのかが紙媒体に比べてわかりにくいところがあります。 ウェブページはどのような端末を使っても、原本に相当すると思われる該当のページを閲覧するのとは、特殊な事情でも無い限り、誰にでも可能です。なので、これこれこういう記述のあるウェブページがあり、そのウェブページのURLを書証として提出しますので、原本が必要な場合はそのURLからアクセスしてウェブページをご参照ください。書証を提出する立場としては、それを以て、もし、原本を求められた場合の回答と致します、というような説明でも良いものなのでしょうか? 特に民事訴訟に於ける証拠としての写真の信頼性の歴史というのを興味があって調べたのですが、一世紀にも満たない過去には、写真を証拠として認めないのが、特に欧米の法廷では普通であったとのこと。それがある程度『確からしい』ものとして認められるようになったのは、半世紀ほど前になってからとのことでした。 今は、インターネットに限らずデジタルデータが同じ状況にあるのかな、と思っております。 昨今、インターネット上のサービスやケータイのアプリを通したトラブルは増えているので、事案の一部始終を証拠として挙げる場合に、ウェブページのハードコピーを用いる必要性は高くなっていると思われます。その一方で、裁判所のシステムは旧態依然としたままだとも聞きます。そこに、手続きを複雑にさせたり、ハードコピーの証拠としての解釈の仕方に一貫性がないか、あるいは定着していないところがあるのではないか、と疑問に思い質問しました。 長くなってすいません。最後まで読んでくださった方には感謝いたします。 お詳しい方の回答を求めます。よろしくお願いします。
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- neKo_quatre
- ベストアンサー率44% (735/1636)
> 裁判の現場では証拠としての写真の扱いについてどのように考えられているのでしょうか? 訴えを起こされた側、証拠写真を突き付けられた側が何も言わないのなら、そのまま証拠として認められます。 相手側が異議申し立てするなら、例えば、 ・写真の画像の作成日時が、事件の日時と矛盾している ・写真を画像解析とかして、加工された写真だって指摘 ・同様の画像を作成して見せて、捏造された写真の可能性を指摘 だとか。 > また、ウェブページ等、 いわゆる魚拓のサービス、今日、今の時点のwebページを「保存」って操作すると、保存用のサーバで保存してくれるサービスがあるから、そういうので立証とか。 裁判に利用された実績もあるそうです。 ただ、公的なサービスでないので、証拠能力としては一段落ちるかも。 ウェブ魚拓 https://megalodon.jp/ Internet Archive https://archive.org/web/ #Internet Archiveは、ちょうど今DDoS攻撃受けてサーバダウンとか情報漏洩のトラブルやらかしてるみたいだけど。 -- > ウェブページはどのような端末を使っても、原本に相当すると思われる該当のページを閲覧するのとは、特殊な事情でも無い限り、誰にでも可能です。~、もし、原本を求められた場合の回答と致します、というような説明でも良いものなのでしょうか? 管理者がページ書き換えたりしちゃう事はあり得るから、ダメでしょう。 フツーにwebサイト印刷して、URLや日時を入れて証拠として提出するのが良いと思う。 ↑の内容だと、証拠の提出に手を抜いてるように見えるので下策ですし。
- chie65536(@chie65535)
- ベストアンサー率44% (8740/19838)
>『ありのままを撮影したことを証明する』ことも、並行して必要なのではないか、ということです。 提出された証拠が「事実」なのか「捏造」なのかは、相手側に立証責任があります。提出した側が証明する必要はありません。 今の技術を使えば「写真」も「音声」も「WEBページ」も、幾らでも捏造できます。 >たとえば、デジタルカメラで撮影した画像があるとします。 データ化した段階で、幾らでも捏造出来ます。 証拠を提出された相手側は、専門家に依頼して画像鑑定をして貰うなど、証拠映像が真正なのか捏造なのか立証しないとなりません。 音声も同じです。専門家に依頼して声紋鑑定などをして貰います。 WEBページも同じです。弁護士などに依頼して、WEBページ作成者が無関係な第三者で内容が真正なのか、当事者本人が作成した捏造ページなのか、判定して貰います。 証拠を出す側は「単に証拠を提出するだけ」で良いのです。
お礼
所謂証拠の優越というやつですね。 しかし、鑑定などは個人で行うには限界がありますし、専門家に依頼するとなると手間もかかれば費用もかかる手続きですね。出したもん勝ちで出された側は泣き寝入り、何てこともあるのでしょうか。 特に本人訴訟や費用倒れの可能性が高い少額案件ではありそうなことと予想します。 しかし、そんなシンプルな手続きで一応は済むというのは驚きでした。 勉強になりました。ありがとうございました。
お礼
魚拓については私も存じております。wayback machineなども有名ですよね。 私はこの質問を投稿するにあたって J-stageの資料、名和小太郎氏著、『Webページは証拠になるのか』2011/3 を閲覧したのですが、そこでもやはり、WebページのハードコピーとしてWebの所有者であることを明記したり、URLを明記したりの必要はある、ということだと知りました。 やはり、webページらしくデータをつくるのも今の技術であればいくらでも可能。ただそれらしいデータのハードコピーを提示するだけでは、相手側に『URLもWebページの所有者と認識できる証、たとえば所有者が法人であったとして、その企業のロゴとか、そういうものが一切無いけど、それ、本当に本物のWebページのハードコピーなの?』とツッコむ余地を与えかねませんから、何でもかんでも提示しとけばいい、というのも中々通らないのではないかなぁと思うところです。証拠として確からしいと判断されるには、最低限の証明要素は必要なのではないか、というところですね。 また、原本云々に関してですが、まず裁判所の慣例に従って大方の資料は書面で提出することを前提として質問しています。第一に提示する書証の段階において、『面倒だからURLだけ書いておくのでそこからアクセスして確かであることを確認して下さい』何てことはありえません。裁判官の心証が悪くなるだけでしょうし笑 よって、先ずは諸々紙媒体で提示するが、その原本を求められた場合には、URLも書証には明記してあるから、どうぞそこからアクセスしてご確認下さい。という意味です。最初からURLだけ、という事ではありません。そこは誤解無きよう。 因みに、司法書士の知人から聞いた話では、WebデータをCD-Rなどに焼いて書証として提出することは認められてはいるようです。あまり、嵩張るのは良くないみたいですね。フラッシュメモリとか、HDD、SSDドライブとかその辺は忌避されるみたいで。 しかし、そういったデジタルデータで提出しても『本当にホンモノのデータのコピーなのか』という疑問に対応しきれるものではありませんね。やはり、URLやweb所有者であることが確認できる何らかの添え物が大事になってくると思います。 ところで、>管理者がページ書き換えたりしちゃう事はあり得るから、ダメでしょう。 これは問題ですよね。URLの期限切れなども無くはありませんし、何ならシステムで、当事者による任意の改竄・編集が可能であったりするWebサイトも存在します。予めトラブルを想定して逐一Webページを魚拓にとるなどの用意周到さでもないと、『これこれこうだったのが変わってるよ、話が違うじゃん』と指摘しても、『いいえ、最初からこのままですよ』と開き直れば、指摘する側が過去に遡ってまで改竄・編集される前のオリジナルのWebページを、そのWebの所有者に請求して証明とすることは、代理人や弁護士会照会、他には警察等の捜査機関でしょうか、このあたりの第三者機関の手続きなしで行われるものでしょうから、個人がそれをするのは極めて困難です。 最早、はじめからすべてを疑ってかかる、くらいの気持ちでいないと、後で求めてもどうにもならないことが予想されます。 ここは、サイトの所有者が企業の社会的責任を以てもっと誠実に対応するシステムを作るか、もしくは改竄・編集の履歴が残るようなシステムをつくっておくことですね。まだまだ改善の余地はあるように思われることがたくさんありますね。 また冗長になってしまいました。失礼しました。 回答ありがとうございました。