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鉄板の鉄原子核に自由電子は衝突する?
鉄原子に周回電子は存在しないですよね。全て自由電子と思います。自由電子は飛行が非常に遅いみたいですが、常温では鉄原子核に衝突していますか。 A. 鉄原子核に衝突して振動を与えている。飛行速度が遅いのになぜかくっつかず離れる。 B. 鉄原子核に接近してクーロン引力で振動を与えている。引力なのになぜか衝突はしない。 C. 鉄原子核に接近してローレンツ力で振動を与えている。ミクロ物理の世界なのになぜかローレンツ力が働く。 D. その他。
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安定な鉄の原子核は26個の陽子,30~32個の中性子で構成。 中性のときは、周りに26個の電子がある。 化合物のときは、外側の電子が2~3個奪われてイオンになる。 電子配置は Fe 1s2 2s2 2p6 3s2 3p6 3d6 4s2 。 気体の鉄原子では、自由電子はなく、26個の電子すべて軌道 にある。 固体の金属状態では外側の電子が2個自由電子となる。 自由電子は、内側の24個の電子に守られた原子核に近づけない。 周回電子という用語はない。使うべきではない。 古典力学の惑星のように、定まった軌道を回るものではない。 130年前の量子力学のない世界のままで理解できていない。
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- Tacochin
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#1です。 >>周回電子 中学・高校レベルの物理・化学で、理解しやすいように表現している言葉です(まぁ、たしかに古典物理です)。ただ「使うべきではない」とか「理解できていない」と言い切るのは、どうかと私は思いますけどね。 #1の回答より引用 ↓ >>さらに詳しく説明しますと... >>「金属結合」という絶縁物とは異なる状態になっており、自由電子が周回しています。大学物理的には・・・自由電子の電子雲(位置が不確定なボヤけた電子殻)が存在します。 と一応、電子雲であることを断り入れた上での回答です。円周軌道状の電子雲であることには違いありません。 電子の軌道はハッキリしたものではなく、存在確率の濃淡によって電子雲が形成されています(量子力学の不確定性原理より)。 周回粒子で表した電子(画像左:古典物理)と 存在確率の濃淡で表した電子(画像右:量子力学) ↓ https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/8f/7cd0f8765a2c5ce2085b387da877f9af.jpg 原子核の周囲でボワーッと雲のように広がっている電子 ↓ https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/66/c33eb67b56b25ea6df6adbeb3124cd94.jpg 参照元サイト: 宇宙のこっくり亭 > 量子力学 その5 ~ 電子雲 https://blog.goo.ne.jp/konsaruseijin/e/abb129f53ddd1ddd71ff6f01593b1cc3 鉄原子の場合、最外殻にある電子のみ自由電子です。自由電子も円周軌道上にあります。自由電子を除くその他は束縛電子です(前回回答#1のとおり)。 ★ 分かりやすくするために正確性が犠牲になっているのですが、それでも「こういった質問掲示板でも正確性を重視すべきだ」と主張される方がいらっしゃるのであれば、今後「周回電子」という言葉を使うのは止めようと思います。 下の添付画像は、電子が粒子として波動状の円周軌道を通るのではなく、電子が波として波動状の円周軌道を通っているということを示しています。
- Tacochin
- ベストアンサー率63% (81/127)
答えは「D.その他」です。 詳しくは以下のとおりです。 >>鉄原子に周回電子は存在しないですよね。 鉄含む金属でも、電流がないときは周回しています。 関連別スレッド: 「乾電池に繋がっていない銅線の陽子と電子」への回答 https://okwave.jp/qa/q10288164/a28491404.html さらに詳しく説明しますと... 「金属結合」という絶縁物とは異なる状態になっており、自由電子が周回しています。大学物理的には・・・自由電子の電子雲(位置が不確定なボヤけた電子殻)が存在します。 金属の原子核は電子を引き付ける力が弱く、電子が離れていきやすい性質があります。自由電子による金属原子の結合を「金属結合」、金属結合でできた結晶を「金属結晶」と呼びます。絶縁物質と大きく異なる点です。 「金属結合」についての説明 ↓ https://hugkum.sho.jp/542244#caption-attachment-567404 >>常温では鉄原子核に衝突していますか 人工的な実験,核兵器,原子力発電を除く通常の環境では衝突しません。 関連別スレッド: 「電子は原子核に向かって落ち込んでいく?上っていく?」への回答 https://okwave.jp/qa/q10287753/a28491047.html 以下の4段階を経て電子は陽子に衝突せず、電子殻に収納されます。簡単に言うと電界の振動による位置エネルギーの谷間(すなわち電子殻)へ電子が収まるからです。 第1段階: 陽子へ電子が近づくと加速して電磁波を放出し、ポテンシャル(電磁場の位置エネルギー)が低下してクーロン力が喪失する。 第2段階: 電子と陽子が近づいて結合しようとするときに発生する際の媒介粒子がニュートリノです(他例:陽子と中性子を結合している媒介粒子がπ中間子です)。電子がニュートリノを受け取り励起状態になれば陽子と結合できるのだが、電子より陽子の方が大きいため、陽子がニュートリノを受け取り励起状態となる。 ※励起状態:高エネルギーに変化した状態 第3段階: ニュートリノにより励起されると陽子の電荷が増えるため電界の振動が起き、電界の定在波(ガンマ線)が陽子の周囲に作られる。 第4段階: 定在波のポテンシャル(位置エネルギー)の谷間に電子が落ち込んで、陽子へそれ以上近づけない(その谷間K殻が最も安定した位置となる)。 図解:位置エネルギーの谷間 ↓ http://zao.jp/media/blogs/destroyer/coulomb_proton_electron3.jpg 参照元:陽子と電子はなぜくっつかないか? http://zao.jp/index.php?blog=12&p=455 以上、難しいかもですが、極力かみ砕いての説明でした。下のサイトの説明を何度も読み返して頂ければと思います。ニュートリノのやり取りや電磁波の発生等、励起現象が位置エネルギーの谷間を作り、それが電子殻となって、飛び飛びに電子を収納するというイメージです。 飛び飛びに電子を収納するという話、こちらの方々の回答とも関連しますね。 ↓ 関連別スレッド: 「原子核の陽子と周回電子がくっつかない理由」への回答 https://okwave.jp/qa/q10287145/a28489262.html https://okwave.jp/qa/q10287145/a28489360.html
お礼
気体の鉄原子の説明もありがとうございます。電子配置も書いてくださり感心させられました。個体では自由電子は2つだけなのですね。低温超電導では、周回電子ないし束縛電子の大半が自由電子になる印象がありましたが、自由電子の数は変わらなさそうですね。私の覚え間違いです。正確な解説をありがとうございます。