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円筒度の普通交差とは?JIS規格の説明とその意味について
- 円筒度の普通交差についてJIS規格で説明されていますが、その内容を分かりやすく説明していただくことは可能です。
- 幾何交差の普通交差についても考慮する必要がありますが、今回のケースでは円筒度を指定するほうが適切かもしれません。
- さらに、包絡の条件と最大実体交差方式というものについても違いを踏まえて説明していただけると幸いです。
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まず円筒度からいきましょう。 円筒度、というのは、理想的な円筒形状から現実の物体がどのくらい離れているかを数値化したものです。 イメージとしては凸凹に変形した空き缶などを想像するといいでしょう。形状としてはこのHPの『円筒度測定』の図が分かりやすいですね。 https://www.kptc.jp/kiki/188/ そして『円筒』という形状は、薄い円を積み上げた立体と考える事ができます。 その形状を示す幾何公差も、個々の『円』の綺麗さと、積み上げ方の綺麗さに分解できます。 これはイメージとしてはダルマ落としとか、硬貨を積み上げた状態ですね。 一段一段の『円』がボコボコなら円筒としても汚くなりますし、に『円』が綺麗でも少しずつズレた積み上げ方をしていれば円筒としては崩れた形になります。 これが『円筒度は真円度、真直度及び相対向する母線の平行度からなる』という事の意味です。 そしてそれぞれの要素は個々の普通公差(または公差指示)によって規定されるので、わざわざ円筒度としての普通公差は存在しないわけです。逆に、そうした複合的に決まる公差より良好な形状にしたい場合には、個々に円筒度公差を指定する必要があるわけです。 これが『機能的理由から~~形体に指示するのがよい。』の部分です。 >>幾何交差の普通交差を考えるのではなく、円筒度を指定したほうがよいのでしょうか。 まあ講師の先生から「幾何交差の普通交差をふまえて」と言われたとの事ですから、とりあえずは普通公差で考えるべきではあるでしょう。 一方で実務的な話をするなら、そもそも「嵌め合い」という設計をする場合に普通公差で考えるのは無意味に近いです。 普通公差というのはあくまで目安であって、守られるかもしれないし、守られないかもしれない、という程度の物です(会社次第、業界次第の側面が非常に強いですが)。重要な部分については明示した方がトラブルは減ります。 >>包絡の条件や最大実体交差方式というもの これらは文章で読むと色々複雑に感じますが、現実の話で言えばシンプルです。 要は「穴に棒が入るかどうかで判定しよう」という事です。 先の円筒度の例で言うと、例えば「直径がΦ10.0。円筒度0.1の棒」という物体を仮定します。分かりやすく0.1mm分曲がっていると考えて下さい。 この場合、Φ10.05の穴には入りません。必ず入るようにしたい場合、直径にも円筒度にも公差指定が必要です。 しかし仮に直径がΦ9.9の場合、円筒度0.1でも入ります。逆に棒の直径がΦ10.04と大きくても、円筒度が0.01ならギリギリ入る事になります。 このように『直径』と『円筒度』というのは複合的に作用するため、片方が綺麗に出来ていればもう片方には余裕ができます。こうした考え方が包絡の条件や最大実体交差方式というものです。
お礼
お忙しいところとても丁寧に教えてくださり、ありがとうございます。非常に分かりやすく、円筒度について、包絡の条件についてイメージができました。