- ベストアンサー
物理…
物理学には熱力学、相対論、量子論、古典力学・・・といろいろあるなかで、メインとなる分野はどれなんですか?物理学という自然現象を扱う学問の定義にも少し疑問もあります。誰かわかりやすく物理学について教えてください。物理学全般に対して理解したいです。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
物理学は、客観的に数値化できる量の間の関係を求める学問です。基本となるのは力学です。その他の物理学の分野は、ある特定の対象に限定して力学を応用し、研究するものです。 力学には、古典力学と量子力学があります。量子力学の方がより基本となる力学ですが、実用上は、対象に応じて使い分けています。 物理学には、もう1つ重要な土台があり、それが特殊相対性理論です。相対性理論というとアインシュタインの理論と思われがちですが、もともとニュートン力学にも相対性理論に相当する考え方があります。とりあえず、ニュートンの相対性理論、アインシュタインの相対性理論と呼び分けます。それらの相対性理論を特徴付ける座標変換は、ガリレオ変換とローレンツ変換です。 ここで相対性理論を「土台」と書いたのは、相対性理論自体は力学ではなく、力学の土台となる時空間の考え方を与える理論だからです。 全ての物理学の分野は、古典力学と量子力学、ニュートンの相対性理論とアインシュタインの相対性理論、のそれぞれから1つづつ選んだ4つの組み合わせを基礎として作られています。すなわち、(1)古典力学とニュートンの相対性理論、(2)量子力学とニュートンの相対性理論、(3)古典力学とアインシュタインの相対性理論、(4)量子力学とアインシュタインの相対性理論、の4つです。 それぞれを代表する分野としては、(1)いわゆるニュートン力学、流体力学、統計力学、多くの工学の分野、(2)非相対論的量子力学、量子統計力学、量子化学、(3)特殊相対性理論を学ぶと付いてくる力学がこれ、電磁気学、一般相対性理論、(4)相対論的量子力学、素粒子物理学、などがあげられます。
その他の回答 (5)
- decidrophob
- ベストアンサー率38% (26/67)
No3. の私の説明が拙かったので、 言い換えます。 まあ、No3. は、あなたが物理学専攻で、最先端をいずれは目指す場合という仮想的状況で書きましたので、 もっと初心者向けの回答にします。 ただし、物理は大きな学問なので、 やはりある程度やらなければ、 全体把握は難しいと思いますので、 あくまでも、ここで述べるのは、簡単な地図。 基本的には、他の皆さんの回答にあるように、 力学が基本というのは正しいです。 物理のもっとも基本的な世界観に 原子論があります。 詳しくは、ファインマン物理学の最初のほうをぜひ参照してください。 平易に、説得力を持って、どれだけ原子仮説(原子事実)が重要かが書いてあります。 で、物理学が発達するにつれて、 原子がより小さな素粒子からできていると説明するほうがしっくりくることがわかりました。 しかし、要は超大雑把に言えば、 原子が素粒子に置き換わっただけ。 さてさて、 というわけなので、 知りたいのは、 素粒子同士がどのように相互作用しているか? ってことと、 相互作用の結果どのようにふるまうか? ってこと。 相互作用そのものの系統: (量子)電磁気学、重力の理論(一般相対論、万有引力の法則)、原子核の強い力、弱い力の理論 相互作用の結果の振る舞いの理論: ニュートン力学、量子力学 って感じです。 熱力学と統計力学は、 まず、熱力学については、もはや今日では、単独では物理学っていうより化学って感じかも。原子仮説に立脚していないので。極端なことを言えば、統計力学を学べば、熱力学は定理として導けます。もっとも、最近の物理学では、こうした「定理」にフォーカスして、まさに高次構造そのものに興味を持つということもあるので、友人から聞いたところによると、近年、再び物理の分野で脚光を浴びているようですが。 次に、統計力学については、一番大雑把に言ってしまえば、たくさんの粒子を集めたときに、もろもろの数理的性質が生じるので、それを論じたってこと。一番単純に言えば、大数の法則に依拠して、ばらばらの粒子の振る舞いの平均をとる。より高度な議論としては、「相転移」その他、「無数の(モデルとしては無限子)粒子が集まっていることによって生じる」高次構造が知られています。 今日の物理学において、この統計力学(物性論)の分野は、理論も、実験もともに非常に活発で、特に実験については、理論的に説明できないものも多く、大半の新しい現象というのは、理論に実験が先立つのです。で、説明している性質が、もはや「基本粒子の相互作用とその結果」というところから結構外れたような豊かな内容なので、もはや基本粒子系統の物理学と分かれてもよさそうにも思うくらいです。
お礼
丁寧なご説明ありがとうございます。自分は工学が専門なのですが、とてもわかりやすかったです。
- decidrophob
- ベストアンサー率38% (26/67)
なにか、他のみなさんの回答は、 量子力学と相対論 ってなっていて間違いではないんですけど、 反面、それだけだと、ぜんぜん物理って感じがしないんですよね。 たとえば、きわめて大きな分野として電磁気学があります。 最先端の物理学者が、伝統的に興味を持ってきたのは、 むしろこのような電磁気学のように、 直接力「自体」を対象とする分野が中心なんですよね。 量子力学や、ニュートン力学は、 力が与えられた後の系の振る舞いを論じているわけ。 詳しくは、関連することを、 質問:ニュートンの理論の公理は? http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1008846 に書きましたので、参照してください。 もっとも、最先端の力自体の研究(素粒子理論・実験)に、量子力学の知識が不可欠なことも事実なので、その意味では、確かにメインです。 あと、補足ですけど、 相対論は、現状では、 特殊相対性理論は素粒子分野でははずせませんが、 一般相対性理論が物理全体にとってどれだけ重要か?はまだまだ定まっていないと思います。
お礼
そうなんですか。物理にもいろいろ分野があり、電磁気学、熱力学、統計力学などはどう位置づけられているのか微妙です・・・
- decidrophob
- ベストアンサー率38% (26/67)
Q1. メインとなる分野はどれなんですか? これは、人によって見方は異なりますが、 大雑把に言えば、 現代物理学の肝は、 基礎理論で言うと、 素粒子物理学 と その応用・素材提供としての宇宙物理学、 より応用で言えば、 量子統計力学 の二つですね。 物理学専攻以外の学生さんなどにとっては、 工学系で機械や建築などに興味がある場合は、ニュートン力学、 化学や分子生物学などに興味があれば、 量子力学が圧倒的に重要です。 相対性理論は、 原子力工学など、ちょっとマニアックな領域以外は役に立ちません。 Q. 物理学という自然現象を扱う学問の定義: かなり難しくなります。 これは、私の持論みたいなところがありますが、 「物理学」の定義は、 物理量に関する基本的理解に絡むような領域です。 実際、古典力学と電磁気学の範囲でいえば、およそ全ての物理量は質量、電荷、位置、時刻の「基本物理量」を用いて次元解析ができる(熱力学で導入される温度の概念は、現在までの認識では、上記の4つの物理量とは独立な量である、もしくは独立な量として扱うのがよいため、これを基本物理量に加えても良いかもしれない)。MKSA 単位系という概念が意味を持つのも、この事情による。流体力学などで扱われる古典場も、上記の物理量の時空分布である。量子力学でも、物理量の扱い方それ自体は、古典力学と大きく異なるが、物理量は古典力学のそれと同じかもしくは接続性が強い。例えば、スピンは量子力学固有の量として、例えば Sakurai の本に論じられているが、軌道角運動量と和をとることができることから、次元はあくまでも「角運動量」である。これらに角度、立体角、粒子数(バリオン数など)の無次元量や、 color、 isospin など(color, isospin などについては、これらが本当に質量や電荷と同様のレベルで基本的な物理量であるかどうかは、私の理解するところではないが)を加えても、基本的とみなされる物理量の種類はきわめて少数である。任意の物理量が基本物理量の組み合わせとなっている事情は、例えば、物理量の指数関数や対数関数をとるときは、その量は必ず同じ次元の物理量で割られているか、もしくはその物理量自身の単位との比をとった形となっていることからも分かる。 基本物理量は、強力な物理理論に付随している。より具体的にいうと、現在のところは、全ての基本物理量は、時空、基本粒子の固有な性質と、相互作用に関係している。(ただし、温度は別格で、熱統計力学のツールである。いずれは、他の基本物理量に還元される可能性もあると私は考えている。)このことは、物理の現在までの輝かしい成功と相まって、しばしば「基本粒子とその相互作用がわかれば、全てが分かる」という錯覚をうむほどである。以上の考察から、物理が、物理量で対象を記述するということは、かなり強い性質であることが分かる。 で、この基礎理論(もしくは方法論)への寄与こそが、他の諸科学、工学や地球惑星物理と物理を分ける基準だろう。ここで、基礎理論というのは、力学系のダイナミクスを与える理論である。今日の基礎理論は、相対論、量子力学(場の理論)と統計力学であろう。最先端の物理学が健全な状態にあるときは、物理の研究は上記のような基礎理論の整備、改良および変革に少なくとも間接的には関係している。19世紀後半、古典力学がほぼ完成し、その普遍性に全く疑いのなかった時代、物理学は死んだと思われたことがあった。このような状態での古典力学理論をいかに応用するかという問題は、工学であると考えられたのである。
お礼
とても丁寧な回答ありがとうございます。興味深く読みました。とても勉強になりました。
- SAKURAMYLOVE
- ベストアンサー率30% (162/533)
物理学は、自然界の法則や事象を数学を使って証明する学問だと思っています。 その中で、メインというか、基礎はやはり古典力学ではないでしょうか。 例えば、数学の微積分を覚えただけでは、使い道がないですが、物理などで法則を理解する上や、道具として使って価値がでてきます。 熱力学や、量子論を論じることは高校程度のレベルの数学では、ちょっと無理があるかもしれません。
お礼
古典力学はみなさんがいうように基本になるのですね。
- porco
- ベストアンサー率20% (8/39)
こんばんは。現代物理学の2大支柱は、相対論と量子力学ですが、物理学のベースはやはり(古典)力学です。力学の理解なくして物理学の理解は無いと、私は思います。
お礼
ありがとうございます。古典力学は大切なんですね。
お礼
やはり、量子論、相対論、古典力学の組み合わせですか。大学の先生の言ってることとほぼ同じ回答です。とてもわかりやすかったです。ありがとうございます。