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質問者が選んだベストアンサー
画像の印象から恐らく「タイリククロスジヘビトンボ (Parachauliodes continentalis)」か「ヤマトクロスジヘビトンボ (Parachauliodes japonicus)」のどちらかだと思います。 両種は非常によく似ており、ぱっと見の外見だけでは正確に判別する事は困難で、正確に同定を行うためには羽根の翅脈の形状を比較する必要があるのですが。この添付画像ではその決め手となる部分が不明瞭で判断が付かないため、これ以上の推測は困難です。ご了承ください。 - "タイリククロスジヘビトンボ": https://mushinavi.com/navi-insect/data-hebitonbo_kurosuji_tairiku.htm - "ヤマトクロスジヘビトンボ": https://mushinavi.com/navi-insect/data-hebitonbo_kurosuji_yamato.htm 自分の私見的印象ではどちらかと言えば「タイリククロスジヘビトンボ」に近い印象かなという感じです。同種はヘビトンボの中でも羽根が大降りで翅脈も太く、素人目にも実際の体長サイズよりも一回り大きな印象を与える個体が多いので、質問者の初見の印象などからもそうかなと思いました。 他にも大きさだけならば普通の「ヘビトンボ (Protohermes grandis)」が居ますが。本種は頭部なども含めて体色が全体的に薄く黄色い感じになるのが特徴ですので、この画像の個体は撮影時の光源なども考慮してもかなり黒い印象ですので違うと思います(羽根にも黄色い斑点が出る)。ただし質問者が北海道在住であった場合、日本国内で確認されているヘビトンボの分布ではこのヘビトンボ種しか北海道には居ないので、そうなると「ヘビトンボの黒褐色型」の可能性が高くなります。 P.S. ヘビトンボは日本全国に生息しており、そこまで希少種と言う訳でもない割と普通な昆虫種なのですが。昭和の頃と違い、昨今は山間部でも河川改修が行き届き過ぎてしまい、その結果として昔は馴染みあった水性昆虫の多くが生息域を追われて数を減らしてしまい。都市部や住宅街育ちだと、その多くを一生涯見る事も無く暮らす様な生活環境が大多数となった結果、たまに見た事無い昆虫に出くわすと「新種発見!」みたいにTwitterとかで大騒ぎになる事も珍しくなくなりました(笑)。 その中でもこのヘビトンボは、虫好きで無いとかなり奇異な姿に見えるせいか、よく「腐海の蟲を発見!」みたいな触れ込みで画像が流れて来たりしますね。まあ気持ちは分らなくもないですが…あ、でも大陸産というか台湾やベトナム辺りに生息しているヘビトンボの仲間には、日本のヤツよりも輪をかけて奇妙で怪奇なフォルムの種類のヤツもいるので。さすがにそれらを生で見たら自分でも「新種発見?!」とか騒いでしまいそうです(笑)。 - "世界最大のヘビトンボ": https://www.cnn.co.jp/fringe/35051214.html しかしながらこんなにイカツい見た目のヘビトンボですが、実は昆虫種としてはかなりの穏健派というか、どう見ても空を飛び回りながら獲物を襲う獰猛なハンターにしか見えない外見でありながら、基本的には草食系で他の昆虫を襲って食べる様な事無く。もっぱら花の蜜や森の木から滲み出る樹液を舐めて暮らしています。一体、何のために凶悪な牙を持っているか謎ですが…まあこれも進化の不思議というヤツですね。 ただし穏健派なのは成虫だけで、子供時代の幼虫の時期はかなり獰猛な危険な水中のハンターでして、目に付く獲物になりそうなモノであればお構いなしに食い付いて来ます。自分の体長サイズよりも大きなカエルやフナなんかも襲ったりしますので、大人のヘビトンボとは真逆の性格ですね。 しかしながらコレはヘビトンボの特質と言うよりは水生昆虫類に共通する全般的な特徴で、タガメもゲンゴロウもトンボも、皆同じ様に幼虫時代は獰猛な水中ハンターです。むしろ成虫になったら肉食を卒業してベジタリアンになるのはヘビトンボだけで、他の水生昆虫は大人になっても幼虫と同じ様に他の生物を襲って食べ続けるので、そういう意味ではやはりヘビトンボは少し変わった昆虫種と言えますね。
お礼
丁寧な説明で感謝します。 よく分かりました。 有難う御座いました。